2022.07.22.Fri
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城東小学校耐震補強及び太陽光システム
コンセプト
昭和56年以前に建設された校舎の耐震補強と、太陽光発電パネルを屋上に設置するという設計である。
熊本城のふもとにある歴史ある小学校の校舎が、耐震診断調査により補強が必要となったことから、当社が熊本市より委託を受け耐震補強設計を行うこととなった。
子供達にとっての学び舎を安全な場所として設計することができるという設計事務所としての意義と、自然エネルギーを活用するための太陽光発電パネルの設置という、当社が取り組んでいる地球温暖化問題にも寄与できるという使命感をもって設計に取り組んだ。
数十回にも及ぶ現地調査・協議打合せを行い、既存校舎の現状に対し構造設計上採用することができる強度をもった耐震工法であることと、教室で授業を行いながら耐震補強の改修工事を行わなければならないという難題に対し、数十種類にも及ぶ工法の中から、経済性・施工性・仮設教室の必要期間などを総合的に検討しアルミ外付けブレース工法を選定した。
校舎の表と裏の全12構面による補強によって、大地震に対し倒壊しないことが構造設計・計算によって証明された。
また、屋上に設置する太陽光発電パネル20Kwは、耐震上は重量が増えるために不利側に働くため、構造計算によって許容増重量の数値と、太陽光発電パネル本体・基礎・骨組み架構についてひとつひとつ荷重を調整しパズルを解くように慎重に設計している。
また、今回の設計に合わせて、災害時において地域や子供達の避難・待機場所となる体育館も耐震補強設計・工事も行っている。
校庭から見ると、子供達の無邪気に笑顔で走り回る姿と対比するかのように、子供達を大地震から守るために新たに校舎に加わった寡黙に子供達を見つめる耐震補強の構造ブレースが象徴的である。
物件概要 |
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