2022.07.29.Fri
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YWH
自然領域と人工の共存
この建築は、クライアントである企業の設立50周年事業として南阿蘇村に建築された。企業の記念的なシンボルとしての建築ではなく、存在の意味そのものを問われた計画である。
敷地は、北向きに阿蘇五岳を望むことが出来、西から東にかけて俵山を含む外輪山の山々に抱かれている緩やかな北斜面にある。この雄大な阿蘇の地形と一体となる建築を創造し、この建築をとおして新しい風景を発現させること。日常生活から忘却された「非日常」を演出すること。
「自然」の有機的な地形に「人工」の建築が一体と成ること。一枚のコンクリ-ト壁は大地との一体感を表現している。この壁によって日常と非日常の明確な境 界を形成している。地形により形成されたアプロ-チ空間の人工の池の幾何学のランドスケ-プは、ビジタ-の意識を徐々に変えていく。
様々なエレメントを独立させ、外部(自然領域)との融合を意図し、壁に切り取られた開口を通して映像化された景色をフレ-ミングし、人のシ-クエンスの変 化と共に、変化に富んだ山々の風景を室内に取り入れている。室内空間もまた風景として見立て、景観要素として床や壁・天井、建具、階段等を空間に配しなが ら、物質のもつ素材感や反射性によって内部に風景を反復・増幅・積層させて、時間による光と影により場を刻々と変化させている。
この建築が大地と一体となり新たな地形と成って共鳴することで、自然と人工の共存を意図し、この建築が創造されている。
物件概要 |
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